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判例クッキング
〜世の中の身近な出来事を料理していきます〜

プロローグ
初めまして、税理士の菅野です。

私が思いますところ、これからは「裁判」がドンドン増えてくると予想されます。何故か?
雪印の事件でも日ハムの事件でも大企業が起こした不祥事です。
では、何故大企業がこのような事件を起こしたのか?多分、資本主義の限界がやってきたように思います。
戦後、働き続けた日本人がたどり着いたのは、効率・利益重視であります。
しかし、残念ながら人間は元々単細胞のアメーバとDNAはあまり変わらないらしいのです。
ようはキャパ(容量)の問題でしょうが、
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一時所得』 と 『給与所得
〜Part 2〜

ある税理士の先生がストックオプションは、株の購入なのに何故『給与所得』になるのか?という質問があった。
しかし、前回お話したように、裁判所の視点は、ストックオプション(自社株購入権)を、株の購入と考えていない傾向がある。
つまり、自社株を発行するためには、会社の業績拡大があり、自社株の株価を上げるためには、社員の労働力が、必要となる。
どちらも『労働の対価』から、(*1)派生しているので、『給与所得』となると判断するわけである。
さて、ここで、『一時所得』としている裁判例もある。(つまり、まだ裁判所の方もストックオプションに対して、見解の相違があるという事)。
判断基準は、偶発的かどうかである。これは、ストックオプションにおける(*2)権利行使利益が、投資判断(つまり、いつ売ってもうけるかという事)を必要とする事から、『一時所得』になるわけである。
この事から裁判は、その時の社会の状況、視点(もちろん裁判官)で、決定されることを物語っている。
*1:派生・・・根源からわかれ生ずること(広辞苑)
*2:権利を行使(使う)する事によって得た利益(もうけ)


__コーヒーブレイク__
エリートの常識』。
 『常識』について、考えてみましょう。皆様が、『常識』を計る尺度は、自己の持つ尺度で考えるのが普通です。
さて問題です。浜崎あゆみの職業は何でしょうか? 賢明な方なら即座に『歌手です』と答えると思います。   次に地球は、丸いですかという問いには、即座に『ハイ』と答えると思います。

  待ってください!何かおかしくはありませんか?例えば、昔の人(昭和初期に生まれた人、この人を昔の人に限定するのにも問題はありますが、 一応そうします)に、聞いたならば、浜崎あゆみという人物を知らないという可能性があります。よって答えは『わからない』これが、意外に正解です。 別に浜崎あゆみを歌手と認識しなくても問題はありません。
次に地球が丸いという問いには、『ハイ』と答えなければ、『常識知らず』と言われます。何故なら教科書(これを一般常識と認識したとして)レベルの問題だからです。

  本題に入ります。あるゴルファーが、OB(*1)をして別のコースの人に当ててしまいました。この当てた人と当てられた人は、 どう扱われるべきでしょうか?

  ある裁判官は、『 そもそもOBを打つようなレベルの人がゴルフをするべきではない 』と言ったらしいのです。
  ゴルフを少しでも知っている人ならプロゴルファーでもOBは、たまに打ってしまうのですが・・・

皆様は、この事をどう感じられますか?

(*1)OB・・・アウト・オブ・バウンズの略。ゴルフでホールごとに指定された競技区域の外側にボールが入る事を指す

〜判例バックナンバー〜
第五回 『給与所得』(塩)?『一時所得』(砂糖)?
第四回 『納税者と国税側との意識のズレ』
第三回 『税金裁判はなぜ起こる』
第二回 『常識について』
第一回 交通事故問題