学生が長屋で地域を紡ぐ -近大通り長屋再生プロジェクト-

学生が長屋で地域を紡ぐ -近大通り長屋再生プロジェクト-

 

今回取材に訪れたのは近鉄長瀬駅前にある1つの長屋です。

近畿大学の建築学部の学生たちが老朽化した長屋をリノベーションして、地域の交流の場所を作り上げる取り組みを取り上げます。

 

学生が長屋で地域を紡ぐ -近大通り長屋再生プロジェクト-

 

2014年からスタートしたこのプロジェクト。

中心となって活動するのは近畿大学建築学部建築研究会の学生16名。

年々多くの学生が参加しています。

 

研究会の学生が東大阪市へ子育て支援や地域活性化の事業案を提出し、「東大阪市地域まちづくり活動助成金」のバックアップを受けることになりました。

 

今回取材を受けてくれたのはこのプロジェクトの代表を務める建築学部4回生の浅井駿平さん。

素敵なお話が聞けましたのでぜひご覧ください。

 

プロジェクトの代表を務める建築学部4回生の浅井駿平さん
プロジェクトの代表を務める建築学部4回生の浅井駿平さん

浅井代表にインタビュー

きっかけ

東大阪バーチャルシティ(以下、ひがばちゃ):

そもそもこのプロジェクトを立ち上げるきっかけはなんだったのでしょうか

 

浅井さん:

この長屋のオーナーさんと顧問の寺川先生が別のプロジェクトでご一緒されている中で、長瀬にもこういう物件があるよというのが始まりでした。

そしてこの長屋は地域の防犯的にも問題があったそうです。

この2つの事がきっかけで始まりました。そのプロジェクトに僕たち研究会が選ばれたという経緯があります。

 

 

ひがばちゃ:

運営する「近畿大学建築研究会」とはどういった会なんですか

 

浅井さん:

近畿大学の建築学部を対象により建築を学ぶために月に一回程度見学会を行ったり、府や市の建築家の人と一緒に東大阪ふれあいまつりに参加したり、他にもイベントを開催しています。

その他、別チームとして奈良県吉野のツリーハウスなどがあります。

正式名称は近畿大学建築会学生部会建築研究会という大学の公認団体です。

 

長屋の運用について

ひがばちゃ:

この長屋の運用目的はどういったものがありますか

 

浅井さん:

子育て支援や学生と地域の交流地点、まちづくり意見交換会で出た諸問題を解決する場所にしたいです。

大学内の他団体の学生と一緒に近畿大学運営チームとして地域の方々と交流をしていきたいですね。

また2階部分は運用スタッフを対象とした5名程度の学生用住宅として機能させて、運営資金源にもしたいです。

 

土間があり、大きなイベントスペースが広がります。木の香りが素晴らしかったです。
土間があり、大きなイベントスペースが広がります。木の香りが素晴らしかったです。

 

ひがばちゃ:

どういった方に長屋を利用してもらう事を想定していますか

 

浅井さん:

子育て支援を掲げることでそういった地盤作りを、自治会の方々などの協力で行っていきたいですね。

また登録制にしていろいろな会やイベントにも活用いただける場所にしていきたいと思っています。

 

ひがばちゃ:

学生主体の運営に民間企業やその他で運営に参加を希望する考えはいかがですか

 

浅井さん:

企業さんを運営に入れる考えはあるのですが、マネージメント能力がまだないので運営会議をして進めていきたいです。

まずは仕組みづくりですね。現在は大学の先生や専門家の方々に相談役として参加して頂いてます。

ゆくゆくはこちらからも企業さんに打診していきたいですね。

 

こだわりの格子窓と和紙で出来た照明が、味のある張と一緒に雰囲気を出しています。
こだわりの格子窓と和紙で出来た照明が、味のある張と一緒に雰囲気を出しています。

 

この活動を通して感じていること

ひがばちゃ:

このプロジェクトを進めてきた中で、学生さんたちにとって学んだことはありますか

 

浅井さん:

建てるのにも使うにも周りの方々の協力が必要だという事です。

今までやってきた図面設計や模型作り以上に、建てた後の事が忙しいです。

常にスタート地点の感じですね。私自身がおしゃべりなので勝手に人を巻き込んできたように思います(笑)。

大学院生で地域活動をされている方がいて、2週間に1回ぐらい相談をしに押し掛けたり、その方のプロジェクトに参加したりしています。

 

ひがばちゃ:

逆につらかったこと、苦労したことはありましたか

 

浅井さん:

形にならないことや、イメージ通りに行かなかったことですね。

予算や地域のニーズとのギャップなど、代表になってみて気づいたことがありました。

またこのプロジェクトを進めていく中で、メンバー間での方向性の違いなどで改変がありました。

現在は目的を統一することで主要スタッフと応援団という形で進めています。メンバー統括の難しさを感じました。

 

裏庭にはかまどと浄水ポンプ。まだまだ充実されそうです。
裏庭にはかまどと浄水ポンプ。まだまだ充実されそうです。

 

もともとの土壁や天井を最大限に活かした作りに。 裸電球がこだわりの1つだと浅井さん。
もともとの土壁や天井を最大限に活かした作りに。
裸電球がこだわりの1つだそうです。

 

ひがばちゃ:

学校を含め、反響や反応はいかがですか?

 

浅井さん:

どこで知っていただいたかわからないのですが、最近感じるようになってきました。

例えばSNSを使って私の事を探してくれたり、話をしてみたいと声をかけて頂いたりと。

また地域の方々が私達の知らない所で紹介をしてくれたりしています。先日はMBSのちちんぷいぷいさんなどでも紹介いただきました。

長屋ができたことが知らない所で情報としてまわっているようです。

 

今後

ひがばちゃ:

正式オープンまでの流れや、既に決まっているイベントなどあれば教えてください

 

浅井さん:

現在1期工事が終わり2期工事に入っているのですが、それも5月で終わり6月以降にいくつか予定されています。

大阪芸術大学の友人に協力してもらって和紙の照明作りのイベントを子供さんを対象にしようと考えています。

他はこれから募集します(笑)

 

ひがばちゃ:

オープンを迎えましたが、運営スタートに向けて意気込みをお聞かせください

 

浅井さん:

私が代表として地域の方々に出来ること、メンバーをいかに楽しくモチベーションを上げながら仕事ができるか。

面白おかしく、かつ真面目にやっていけるかが私の一番の仕事だと思います。

地域の方々に楽しんでもらうための仕事は後輩の役目として考えています。

 

ひがばちゃ:

浅井さんの個人的な将来はどうですか?

 

浅井さん:

工務店に就職して修行を積んで独立したいですね。

このプロジェクトのような街づくりの建築関係の仕事がしたいです。

 

 

ひがばちゃ:

素晴らしい展望ですね

ぜひご活躍を期待しております。東大阪バーチャルシティでもお手伝いできることがあればぜひよろしくお願いします。

 

浅井さん:

ありがとうございます、ぜひよろしくお願いします

 

2Fのシェアハウス部分は現在工事中。
2Fの学生用住宅部分は現在工事中。

 

シェアハウスの部屋によっては古い張が残っていたり、ロフトのある部屋なども
学生用住宅の部屋によっては古い張が残っていたり、ロフトのある部屋なども

 

1F奥の部分はシェルターとしての作りを備えています
1F奥の部分はシェルターとしての作りを備えています

 

取材を終えて

この長屋は2階建てで、1階にはイベントスペース付きの交流サロン、同じく1階の一部と2階は学生用住宅として運営していく予定だそうです。

今回の取材のタイミングは第1期工事(1階の交流サロン部分のリノベーション)が完了後の内覧会の時に行いました。

 

第2期工事は学生たちも引き続き加わり、5月末の完成後の6月以降から本格運営がスタートするとのことです。

 

運営開始後も学生が中心となって地域と協力しながら活動していきます。

近畿大学と地域の結びつきによって東大阪地域の活性化に繋げていきたいそうです。

 

学生が主体となってこういう活動を繰り広げていく土壌があることは東大阪にとっても大きな財産だと思います。

社会の一端を担うものとして、こういった学生さんたちをバックアップしていくことができればと感じました。

学生たちの活動を活かし伸ばすのも、つぶすのも社会次第。

より発展的な環境が東大阪に存在することを願います。

 

【近畿大学建築学部建築研究会建築研究会】

建築研究会は、建築学部の現役学生で構成される大学公認の学生サークル。

部員は119名(平成28年(2016年)4月現在)。

建築の社会的意義・役割等を意識した研究で社会参画を図ることを目的とし、本プロジェクトのように学生が実践的に建築を学ぶ機会を創出している。

 

学生が長屋で地域を紡ぐ -近大通り長屋再生プロジェクト-
学生が長屋で地域を紡ぐ -近大通り長屋再生プロジェクト-

 

写真・文:東大阪バーチャルシティ 安原武男

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