花園ラグビー場みらい魅力活性化委員会の観光交流部会とは?ワールドカップ推進室にロングインタビュー
2019年に開催されるラグビーワールドカップ12の開催都市の中に東大阪市花園ラグビー場が選ばれました。
それを受けて東大阪市では市の仕組みづくりを進めています。
今回はその1つとして「花園ラグビー場みらい魅力活性化委員会」の観光交流部会が6月9日に行われます。
その部会についてラグビーワールドカップ2019推進室の千田様にインタビューしてきました。
観光交流部会の内容や目的などについて詳しくお聞きしました。
東大阪バーチャルシティ(以下、ひがバチャ):
ラグビーワールドカップ誘致おめでとうございます。
その後3か月ぐらいたちますが、東大阪市内での反響などいかがでしょうか?
千田様:
市政だよりなど様々な媒体で誘致に関しては市民の皆様に知って頂いているので、市民の皆様から直接「よかったね!」等といったお声は頂いております。
ただ実際に4年後に向けて、どういう事をしていかなければならないというところはまだ市民の皆様もわからないところもあるので、そういう反面で施設がどうなるかだとかという疑問の声も一緒に上がって来たりすることがあります。
ひがバチャ:
逆にそういう思いが出てくるという事は皆さんが具体的に感じているという事でもあるのでしょうね。
千田様:
そうですね。
地元の事なので気にして頂いているのではないかと思いますね。
ひがバチャ:
早速ですが観光交流部会について、市のホームページで拝見しましたが具体的にどういう事かお聞きしたいんです。
まずこの部会が立ち上がった経緯とはどういうことになるでしょうか。
千田様:
ワールドカップを行うに当たってはワールドカップ組織委員会がリードして行います。
オリンピックもそうですが決まったルールの下、様々な制限の中で行わなければなりません。
ワールドカップの動きとまた別に市独自のものを取組んでいかなければ、ただ単にラグビーをやって終わりというようなイベントになってしまいます。
それをどういう風にうまく活用できるかというようなことで委員会を発足して、様々な部会を立ち上げる事に致しました。
ひがバチャ:
この部会の中心になる方、顔になる方というのはいらっしゃるのでしょうか?
千田様:
花園ラグビー場みらい魅力活性化委員会の会長としましては東大阪市商工会議所の島田会頭にお願いしております。
ですが部会長であったり、座長的な方というのは特に決めないで行き、民間の皆さんの自由な発想とこれまで商売をしてこられたノウハウ・スキルを自由に活用していただく場として運用していきたいと考えております。
ひがバチャ:
行政主導の型にはまったような物でなく、より自由で民間の人に動かしてもらえる団体になるという事ですね。
千田様:
そうですね。
ひがバチャ:
すごく面白い取り組みになりますね。
千田様:
ありがとうございます。
ひがバチャ:
具体的にこの会の目標となること、目標設定などはされているのでしょうか。
千田様:
そもそもワールドカップの試合は体力の消耗が激しいため、1週間に一回しか行われません。
NZ大会では観戦に訪れた方は平均23泊されると聞いておりますので2~3試合は見て帰られます。
合間の5日間か6日間はその地に滞在することになりますので必ず合間の観光というのが出てくると思います。
その観光でヨーロッパから来られるラグビーファンは所得の高い層であると聞いています。
東大阪のモノづくりの強みといいますか、モノづくりのアピールのできる機会を作り観光に取り入れ最終的には海外の経営者と企業マッチングまで持っていければと思っています。
東大阪にも色々な文化財がありますので、それらを取り入れて東大阪を中心にした大阪全体にお金を落としてもらって全体の経済活性化につながるような取り組みにしていきたいと思います。
ひがバチャ:
NZ大会での経済効果というのは何か数字で出ているのでしょうか?
千田様:
はい、日本大会全体の直接的な経済効果としては1200億円という数字がでています。
単純に12会場で割った場合1都市あたり100億円という事になりますが、首都圏であったりとか大阪であったりとかの大都市圏内ではそれ以上を期待できるというようなことが日本の組織委員会から発表されています。
どのようにリピーターを確保し東大阪市の企業とマッチングして、いいお客さんを掴んでして頂くかというところが大事ですね。
ひがバチャ:
ワールドカップが終わってからもまたもう1回来てほしいですね。
千田様:
そうですね。
次の年には東京オリンピックがありますし、そこでは7人制ラグビーが正式種目になります。
花園がそのキャンプ地としても参加することも可能です。
2021年にはワールドマスターズという30歳以上の方々の世界大会がありまして、これは初めて日本に誘致されたんですけどそれが関西で開催されます。
この3年間は日本に海外のお客さんがどっと押し寄せる期間になります。
ラグビーワールドカップでお客さんを掴んで、その後の2年間についてもいろいろ方が来られるので、できれば継続性をもってお客さんを確保するというのがワールドカップとはまた別の課題かなと思います。
ひがバチャ:
毎年そういうイベントがあれば東大阪にとっても相当つながるものがありますね。
先ほど海外企業とのマッチングというお話がありました。
千田様:
何かの方法で、商店街や文化施設を盛り上げる仕掛けをして市内各所に名所を作り、そこで足を止めて頂く。
そういうところで企業のスキルとか技術をアピールしたりできればいいんじゃないかなというふうに思っています。
ひがバチャ:
場所としての商店街の役割もあるわけですね。
特にいま商店街が厳しいと言われている中で、東大阪の商店街は多くの取り組みをされていますね。
もしかするとモノづくりと並ぶぐらいの東大阪の強みかもしれないですね。
逆に今の段階での課題、優先的に解決していくこととして挙げられているものはあるでしょうか?
千田様:
近々の課題としては施設、ラグビー場の施設の充実が一番に挙げられますね。
また始まっていけばボランティアはどうするのか等がでてくると思います。
オリンピックなどでもそうですが、やっぱりボランティアの協力なくして大会は成功しないので、そこは課題になってくるのかなと。
まぁ挙げればきりがないのですが。
ひがバチャ:
そうですね(笑)
千田様:
宿泊施設に関しても東大阪市の施設を活用することも、もちろんありますが、逆に言うと23泊ずっとここにおられるわけではないので東大阪市は、アクセスとしてはかなり便利なところにあるので大阪市はもちろん、奈良・京都にも宿泊してもらえば、やっぱり海外の方ですのでそういうところを好まれると思いますし、1週間の中で東大阪市だけでなく、京都や奈良に観光であるとかUSJ等も含めた中で、宿泊していただきたいというふうに考えております。
ひがバチャ:
近郊の施設も含めてという事ですね。
千田様:
そうですね
ですからもちろん東大阪市が活性化することが大前提ですけども、ワールドカップ自体も大阪府と共同でおこないますので、大阪府全体にメリットが行くような形になればと思っています。
ひがバチャ:
では6月9日の部会の話をお聞きしたいと思います。
広報物などを見ているとどうしてもモノづくりの方が中心なように見て取れたんですけども、業種による制限などあるのでしょうか?
千田様:
特に制限はありません。
モノづくりのスキルをもっている企業さんだけでもダメですし、観光・旅行会社さんだけでもダメですし、通訳であるとかそこをつなぐ企業さんだけでもダメだと思います。
制限を設けずにいろんな方に来て頂きたいです。
何かと何かをつなぐツールをお持ちの企業さんであったりとか、これを売りだしたら面白いだとか、様々な方に来ていただきたい。
ひがバチャ:
このホームページや市政だよりをみて「うちはさすがに関係ないかな・・・」と思った企業さんでも来てもらえれば何か生まれる可能性があるという事ですね。
千田様:
本当にたくさんの方に来て頂いて、他業種の方の話を聞いてもらったりどんな業種の方が来ているのか名刺交換をしてもらうだけでもいいと思います。
それぞれがつながっていただくだけでも、何かお持ち帰りいただければなと思っています。
そのつながりで部会が進んでいけばいいかなと考えておりますし、まだ始まったばかりなので材料を頂きたい、どんなことを望んでおられるかという事が知りたいですね
ひがバチャ:
うちの企業・店舗会員さんにも声をかけてみたいと思います。
千田様:
ありがとうございます、よろしくお願いします。
ひがバチャ:
うちの東大阪バーチャルシティも15年になりますが、つながるという事を特に意識してやってきました。
特にうちは形あるものを持っていいないですが、うちにも何かできることがあるかもしれないので参加させてもらおうと思っています。
千田様:
ありがとうございます。
ひがバチャ:
もしかしたらやっぱりバーチャルシティいらんなとなるかもしれませんが(苦笑)
千田様:
いえいえ、そんなことは(笑)
ひがバチャ:
うちが持っている発信力を何かに使っていただければ嬉しいなと思います。
この部会が進んでいく中で、行政の枠の中で動くのではなく民間の方主導で自由にという流れの中でどんどん進んでいった時に市の立ち位置、活性化委員会の立ち位置はどうなりますか?
理想としている形をお聞かせいただけますでしょうか。
千田様:
最終的には市は場所であったりとか開催にあたっての時間の調整やお知らせ、広報に関するものというものを担っていかないといけないとは思っています。
色んな制限が開催にあたって出てきます。
たとえば物品販売の制限とか、もちろん制限の話だけではないですが開催についての市の動向ですとか、色々な情報は、その都度皆さんの考える土台になるように発信して行きたいと思っています。
ただどうやってマッチングするか、どうやって商売するかという事に関しては行政主導で考えるよりも皆さんのノウハウを結集して頂く方がよりいいものが出来上がるかなと考えております。
運用に関しては皆さん方にお任せできていけるような形になればベストかなと考えております。
ひがバチャ:
今回6月9日に開催されますがそれ以降のスケジュールなどは決まっているのでしょうか。
千田様:
もう1つ総務部会といいまして、これは基金に関しての話をしていくものを考えてはいます。
その2つの部会を2ヶ月に1回ずつ、毎月どちらかが開かれているような形を今のところは想定しています。
開催のアナウンスは1ヶ月前にしますとお伝えしているので、急に開催というのはちょっと厳しいですが、例えば来月やりたいというお声が多いようでしたら開催するようにしていきます。
そのへんは皆さんが必要だと感じて頂ければそれに合わせて動いていきたいですね。
ひがバチャ:
盛り上がってきてもっとしないと物足りないというようになればいいですよね。
千田様:
そうですね。
次は自分の知っている業者をみんなに紹介したいから早くしてくれ、という声があれば皆さんのご都合にもよりますが、そういうお知らせを打っていきたいなと考えています。
ひがバチャ:
4年後といっても準備をいれるともうそんなに時間ないですもんね。
情報が皆さんの気持ちをどんどん押していくようになればいいですね。
また東大阪バーチャルシティでも、発信などうちでよければさせて頂きますのでお声かけください。
今日はありがとうございました。
千田様:
ありがとうございました。
6月9日、ぜひ多くの方にお越しいただけますようお願い致します。
取材日:2015年5月28日
取材先:東大阪市花園ラグビーワールドカップ2019推進室 総括主幹 千田拓也 様
インタビュー・写真・文:東大阪バーチャルシティ 安原武男