昭和光学 ”世界一薄い眼鏡レンズ”
みなさまこんにちは、e-yan通信部です。
夏も終わりすっかり秋の匂いが漂う季節ですがみなささまいかがお過ごしでしょうか。
今回は「昭和光学株式会社」さんという東大阪市俊徳町にある企業におじゃましました。
昭和光学さんは主に眼鏡レンズやサングラスレンズの製造をされています。
この度の取材では営業統括である西田さんにお話を聞かせていただきました。
e-yan:
昭和光学さんが眼鏡業界に携わったきっかけは何ですか?
西田さん:
眼鏡レンズは実は大阪の地場産業なんですよ。
岸和田方面がとくに盛んで、先代の創業者が岸和田で修行を積んで、堺市で設立し東大阪市に移転、今に至るというわけです。
e-yan:
他社と異なる点は何ですか?
西田さん:
一番は、とにかくニッチなもの(大企業が進出しない小規模なもの)が幅広くあるところです。
突然ですが、ここで問題です!
こちらの写真、何が写っているのかわかりますでしょうか。
これは昭和光学さんご自慢のニッチな商品の一つです。
正解は、眼鏡レンズです!
けれども右側のレンズは単なる眼鏡レンズではありません。
右側のレンズ、実は世界一薄い眼鏡レンズです。
昭和光学さんが世界で初めて眼鏡レンズの屈折率1.90を実現した最先端の技術がここ東大阪にあるんですね。
最先端技術はどのようにして生まれるのでしょうか。
e-yan:
どうやってレンズを薄くしているのですか。
西田さん:
詳しくは企業秘密ですが(笑)
材料開発からカッティング、研磨材(砂で光沢をだすもの)まで難しい作業が続きます。
そこは我々や職人の技術にかかっていますね。
e-yan:
世界一薄いレンズを作るのにどのくらい期間がかかりましたか。
西田さん:
そのレンズが出てかなり経ちますから、私がまだ会社にいなかったころからありますね。(笑)
e-yan:
屈折率1.90とはどのような意味ですか?
西田さん:
例えば水の中に物を入れると物が曲がって見えたり、少し大きく見えますよね。
ああゆう現象が起こるときの光が曲がる角度のことです。
屈折率が高くなればなるほど光をたくさん曲げます。
この時、西田さんと教師経験のある社員さんが教科書を使って教えてくださいました。
まだまだ昭和光学さんのすごさはあります。
なんと、レンズの色が変化するサングラスがあるのです。
このサングラスのレンズ、左右で色が違って見えますよね。
これは元々レンズの色が異なるのではなく、なんと紫外線の量によってレンズが自然に変化するのです。
従来のサングラスレンズでは防げなかった反射した光も遮断することができます。
この反射した光も防げるレンズのことを偏光レンズと言います。
ちなみに紫外線で変化するのは調光レンズと言います。
ですので本レンズは偏光調光レンズです。
つまり、この偏光調光レンズとは、太陽の光の量によって色を自動的に調整しながら太陽の光と反射した光どちらも抑えることができるんです!
そのため、景色がきれいに見やすくなります。
実はこのサングラス、アメリカにあるヤンガーオプティクス社とのコラボ商品なんです。
e-yan:
アメリカのヤンガーオプティクス社との提携を結んだきっかけは何ですか?
西田さん:
ヤンガーオプティクスも弊社と同じように眼鏡レンズを開発している会社で、約10年前からパートナーシップを結んでいます。
きっかけは、同じ材料メーカーさんからの紹介です。
ちなみにヤンガーオプティクスさんの偏光レンズをつくる技術は世界一に匹敵しますよ。
e-yan:
へぇ~そうなんですか!
でも日本で偏光レンズはあまり普及してないように思うのですが。
西田さん:
日本ではまだあまり知られていなく需要が少ないです。
それでも毎年少しずつ、弊社の偏光レンズをご購入いただき増えてきています。
釣りをする人やドライブをする人、まぶしさが気になる人におすすめです。
今、アメリカだと偏光レンズはサングラスに多く使われていますけどね。
e-yan:
普通のサングラス用レンズと偏光レンズの構造の違いは何ですか。
西田さん:
普通のサングラスレンズは一般的にただ色を染めているだけなのですが、この偏光レンズはレンズとレンズの間に偏光フィルムが入っています。
e-yan:
眼鏡レンズ以外で何か作っている物はありますか。
西田さん:
先ほど偏光レンズのところで紹介した偏光フィルムを使ってサンバイザーを作っています。
西田さん:
これがおかげ様でヒットしていましてね。
紫外線が気になる女性も安心して使えますよ。
主に通販で販売しています。
e-yan:
昭和光学さんが長年お客さまに愛され続けている秘訣は何ですか。
西田さん:
基本的には常に忠実で来るもの拒まず、人嫌いをせずに礼儀正しく誠意を持って接することですかね。
この長年の積み重ねが今につながっているのではと思います。
e-yan:
これからの目標は何ですか。
西田さん:
競争が激しく厳しい時代ですので売り上げを伸ばすことですが、まずは小さな市場でオンリーワンになることですね。
そしてこういう市場では昭和光学しかできないと言われるようなニッチマーケットでナンバーワンを増やしていけたらなと思います。
普段あまりお目にかかることのない眼鏡レンズ産業。
大手企業の参入が激しい中での中小企業の熱き思いが伝わってきました。
工場内も見学させていただきました。
日々、職人さんの技術によりこちらではたくさんのレンズが生産されています。
そこには一つだけで数千万円もする機械もありました。
・最後に
取材中だけでなく工場見学中にも西田さんは私たちの質問に親切に答えてくださり、難しい内容や分からないところがあれば資料を用いて丁寧に説明してくださいました。
このような誠実な姿勢は昭和光学さんがお客様から愛されている秘訣なのかもしれません。
今回はお忙しい中、貴重なお時間を割いていただきありがとうございました。
・感想
【横山】
メガネレンズには様々な技術が施されており、職人さんによるものづくりとは本当に凄いのだということを実感しました。
それからレンズの色が変化するサングラスがとても欲しいのでお金をためて注文したいと思います。
【和田】
世界一薄いメガネレンズ。色が変化するレンズ。景色がとてもきれいに見えるレンズ。
いつも何気なく使っているメガネレンズにこんなにも種類があることに驚き、またこんなにも深いのだと感じました。とても楽しい取材でした。
また取材を受けてくださった西田さんが丁寧な受け答えしてくださったので、わかりやすかったしすごく勉強になりました。
【潟山】
とても気さくで冗談も交えながらお話しして下さった西田さん。
いかにも「東大阪のおもしろいおっちゃん」という感じで取材中は笑ってばかりいました。
昭和光学さんも含め、ものづくりの東大阪市やっぱすごい!
・おまけ
取材後に西田さんからちょっと待ってと声をかけられお待ちしていました。
すると、お土産にどうぞとなんと先ほど紹介したヒット商品であるサンバイザーをプレゼントしていただきました。
取材班一同大喜びでした。
取材先:昭和光学株式会社
住所:〒577-0831大阪府東大阪市俊徳町2-5-20
電話番号:06-6729-5881
Web:http://www.showa-opt.co.jp/(東大阪バーチャルシティ会員企業)
Face book:https://www.facebook.com/showaopt
Yahoo Japanショッピングサイト:http://store.shopping.yahoo.co.jp/showadirect/
取材班:
横山貴一(近畿大学 総合社会学部 環境・まちづくり系専攻 2年)
和田卓也(近畿大学 総合社会学部 心理系専攻 2年)
潟山真依(近畿大学 総合社会学部 環境・まちづくり系専攻 2年)
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