発達障がい者支援~子と親を繋ぐ地域活動~
皆さまこんにちは、e-yan通信部です。
秋も深まる頃になりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
今回、私たちは発達障がい児・者 親の会スイミーさんのもとを訪れました。
スイミーさんは発達障害のある子ども、親に対して様々な支援をされている団体です。
主に東大阪市の東部、日下、石切地区を中心として活動をされています。
取材させていただいた日はちょうどランチ交流会といってお子さんや親御さん数人が集まり、たこ焼きを作ったりお菓子を食べたりされていて、和やかな雰囲気の中で取材させていただきました。
お話を聞かせていただいたのはスイミー代表の和多田麻衣子さんです。
自閉症スペクトラム
皆さんは自閉症スぺクトラムを知っていますか。
ここではスイミーの会員さんの多くが持っている自閉症スペクトラムという障害について少しだけ紹介しようと思います。
自閉症スぺクトラムとは発達障害の1つです。
スペクトラムとはグラデーションのようなもので健常者が水、重度の発達障がい者をオレンジジュースとすれば軽度の発達障がい者は、水にオレンジジュースを何滴か垂らした状態なんだそうです。
軽度の発達障がい者は、見た目は水で、飲んでみたら少し味が違うというように、パッと見て障がい者と分かりにくい方が多いです。
自閉症スペクトラムを持つ人と健常者とで何が違うのかというと認知のスタイルです。
自閉症スペクトラムを持つ人は独自の認知スタイルを持っています。
例えば、パソコンでいうとウィンドウズのパソコンの中にMacパソコンのソフトがあります。
Macのソフトはウィンドウズのパソコンでは動きません。
しかしパソコンとしての能力は備わっています。
現状
現在、スイミーさんにいるお子さんのほとんどは健常者と一緒に授業を受けているそうです。
すると授業に遅れることもあるそうですが、それは先生のせいでも子どものせいでもなく認知のスタイルが違うからです。
日本ではまだ発達障害に対する理解が広まっていないのでは、と話す和多田さん。
根性論を唱え、当事者を不真面目ととらえてしまい、怒れば出来るだろうと思っている先生がいまだに多いように感じるそうです。
このように多くの困難がある一方で、発達障がい者に対する周りの人の思いやりだけでほとんどの人が救われているそうです。
活動内容
ここでスイミーさんの活動内容を見ていきましょう。
活動は大きく分けて3つあります。
- わくわくクラブ
- 定例会
- 学習会
以下から各活動内容について説明します。
わくわくクラブ
わくわくクラブは親子間の交流会です。
大学生のボランティアに来てもらって、発達障害を持つ子どもと遊んでもらっているうちに、お母さん同士で話してもらうという形をとっています。
定例会
定例会は平日に子供たちが学校に行っている間に親だけで集まる交流会です。
主に相談しあったり世間話をしたりしているそうです。
学習会
学習会では、専門の講師をお招きして勉強会を開きます。
発達障害をもつ子どもたちに適した生活や教育の場面でのアプローチ法を学んでいるそうです。
活動に参加して
ランチ交流会に参加されていた方に、スイミーさんの活動を通じての変化についてき聞いてみました。
一番大きい変化は、他のお母さんとオープンに相談できるようになったことだそうです。
今の生活で精一杯なところはあるけど将来のことも考えなければならない、そんな時に年上の子を育てているお母さんの話を聞くことはとても参考になったそうです。
お子さんに関していえば友達が増えた、のびのびとした、居場所が出来た、などが挙げられました。
スイミーさんは活動に参加されている方々にとってはなくてはならない大切な場所のようですね。
これからの目標
最後にこれからの目標について聞いてみました。
和多田さん:
皆が成人になってからも、集まれる場を提供し続けることです。
成人になると福祉サービスが少なくなって、子どものころに使えていたサービスが使えなくなるんですよね。
例えば、平日は施設や作業所などで働いて休日はガイドヘルパーさんと遊ぶだけになってしまったりします。
これだと縦のつながりが増え、横のつながりはなくなってしまいます。
やはりガイドヘルパーさんと遊ぶのと、友達と遊ぶのは大きく異なります。
成人になっても、ここで友達と会い、憩いの場になってほしいし横のつながりを増やしてほしいです。
そして、このささやかな集まりの場が発達障がい者とその親の助けにもなればと思います。
和多田さん、貴重なお話をありがとうございました!
取材を終えて
潟山真依
和多田さんのお話を聞いていて、障がい者と健常者との違いは何だろうと思いました。
障害という言葉は健常者から見た言葉であって、障害を持つ方にとっては障害とは思っていないかもしれないので線引きが難しいなと思います。
考え方が広がった取材でした。
和田卓也
発達障害はグラデーションのようなものという話が一番印象に残りました。
障がい者とは認識されていなくてもきれいな水ではなくオレンジジュースが少し混じっている人で健常者と同じように生活している人がたくさんいるのではと思いました。
今までの取材の中で一番勉強になりました。
取材先
取材先:発達障がい児・者親の会 スイミ―
住所: 〒579-8003 大阪府東大阪市日下町5丁目3-37
取材班
和田卓也(近畿大学 総合社会学部 3年)
潟山真依(近畿大学 総合社会学部 3年)
森彩香(近畿大学 総合社会学部 2年)
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