HOME → 06BULLS →06BULLS ゼロロクブルズ 洪成溶投手 インタビュー後編



2012年11月06日（いいゼロロクの日）に関西独立リーグ年間王者に輝いた東大阪のプロ野球チーム「06BULLS ゼロロクブルズ」。
シーズンが終わったオフの間に来季に向けて選手にインタビューをお願いしています。

前回の前編に引き続き第2弾はエースピッチャーの洪成溶選手です。エースならではの悩み・将来の事など盛りだくさんの内容です。
ロングインタビューのため前後編に分けてお送りしました

前編はこちらからご覧ください　→洪成溶投手 インタビュー前編

洪投手：
体を動かさないとだめなんで。
今、僕の個人スポンサーとして面倒を見てくださっているのが、交野スポーツのたまむら社長という方でとても良い人で、めちゃくちゃ良くしてくれます。
大好きな野球が出来るように協力してくれ、本当にうれしいです。

特に今年は勝負を賭ける年、最後の年だと思っているので、途中で帰国することになるかも分かりませんが、とにかくこのオフシーズンを大事にしたい。
キャンプが始まれば、バンバン投げて調整していくつもりです。それが大事だと思っています。
そして韓国のプロテストを受けに行く時は最高の状態にもっていき、後悔のないように投げたいです。

そういった事に協力してくれているのがたまむら社長です。


東大阪バーチャルシティ（以下 Ｈ）：
それは、いつも一生懸命やっている姿を見ているからだと思います。


洪投手：
いえいえ、僕はラッキーガイだと思います。たまむら社長には感謝しています
何より野球中心に生活させてもらっていることに感謝しています。
ですから、僕はこの恩を絶対に返すつもりです。


Ｈ：
韓国のプロ野球に入って社長を招待したらどうですか？


洪投手：
それは絶対にしたいです！
もらったものは返すことが僕の中では礼儀だと思っています。
でも、めちゃくちゃもらっているので、全部返せるか分かりませんが…


Ｈ：
先ほど、国籍のことを言われてましたが、大阪は昔から韓国籍の方が多いので、特別な思いはあまりないですよ。


洪投手：
ただ、やっぱり韓国をよく思っていない人もいます。
正直一緒に働いていても日本人をひいきすることもあるじゃないですか。


Ｈ：
人によると思いますが。ちょっと話が変わりますが、私の妹は12年間ロスにいるんです。
アメリカ人から見ると日本人をよく思わない人も中にはいますが、とても良くしてくれるアメリカ人もいると聞いてます。

ただ、私はその人に直接お礼は出来ないです。
その代わりというか、日本にいる外国人に優しくする、というか普通に付き合うことが恩返しなのかなぁと思っています

さっきも言いましたが、やはり頑張っている姿を見ているから協力もしてくれるのでしょうね。

洪投手：
このインタビューをたまむら社長は見ないかもしれませんが、韓国へ帰った時、もしインタビューされたらどんなマスコミでもこの話はするつもりです。
もちろん村上監督や石毛コーチのことも話します。

Ｈ：
村上監督は普段接していてどんな印象ですか？


洪投手：
今までの監督の中で最高だと思います。
野球を楽しくやらせてくれる指導者です。

僕が日本に来て一つ分かったことは、楽しく野球をやらないと伸びないということです。
村上監督は本当に楽しくさせてくれます。これは野球に限りません。石毛コーチもそうです。
それに二人は合っているので4年間も一緒にやっているでしょう？ 僕も同じです。

監督と合うのでもう1年やろうと思いました。
僕は外国人で生活のことも考えると厳しいいですが、野球をやるなら06bullsです！
日本では村上監督と石毛コーチと一緒にやるという思いでした。
「スタートも最後も村上さん」と自分の中では決めていました。
韓国へ帰るまではこのことは変わりません。2人ともとても尊敬しています、

Ｈ：
では、この1年間東大阪で生活をしてみてどんなイメージですか？


洪投手：
僕は酒もたばこもやらないし、スポーツが趣味なのであまり外には出ませんので…
友達とボーリングへ行くくらいです。

ただ思うのは、東大阪に限らず、日本人は優しいです。韓国人より(笑)　
こんなことを言うとおかしいですが、僕はそう思います。

監督やチームメイトはもちろん、球団スタッフもそうです。
特にスタッフは球団・選手のためにボランティアであんなに動いてくれるのは凄いと思います。
そういう周りの人に助けられて野球が出来ることは幸せなことです。点数で言えば100点満点です。

これでダメならすべて僕の責任です。
こんな環境を与えてもらってダメなら僕の実力がそれまでだということです。
誰の責任でもないのであきらめるしかありません。
でもそうならないように、韓国へ帰れるように頑張ります。


Ｈ：
休みの日は外に出ずに家にいる方が多いのですか？


洪投手：
去年は休みの日にはスポーツジムで筋トレとかしましたね。
家ではゆっくりするのが好きです。DVDを見たり…


Ｈ：
どんなDVDですか？


洪投手：
韓国の映画とかが多いです


Ｈ：
余談ですが、僕は「シュリ」が好きです。親が韓国の友達が多くていつでも韓国ドラマを見ていますね。
洪選手はゲームをしたり本を読んだりはしないんですか？


洪投手：
体を動かすことが好きなのでどちらもしないです。だからスポーツが好きなんです。

Ｈ：
チームの中で特に仲の良い選手はいますか？


洪投手：
今年は永峰選手といることが多かったですねえ。
深い話もできるし信用もできるし、何と言っても僕の方が好きなんです。


Ｈ：
この間、永峰選手に「年上の選手も多い中、どうやってコミュニケーションをとっていましたか」と聞いたら
「洪さんが間に入ってくれていろいろ気を遣ってもらって感謝してます」とおっしゃってましたよ。


洪投手：
いやあ 彼はめちゃくちゃ頑張りましたよ。あんな頑張った彼を初めて見ました。

やっぱりキャプテンというのは大変じゃないですか。
選手皆を引っ張っていかないといけないし、それに06bullsの顔で一番前に出ないといけないし。
先輩や後輩を引っ張っているのを見て「大人になったなあ、頑張ってるなあ」と思います。

僕も何かをしてあげたいけど韓国人で限界があるし…


Ｈ：
でも、洪さんのお陰でだいぶん助かったとこの間のインタビューで言われてました。


洪投手：
そんなことないです。
でも永峰選手は本当に好きな後輩ですね。韓国に帰っても忘れないです。

06bullsは優しい人ばかりです。
先輩の最年長の3人ともしゃべれるし、後輩もしゃべりかけてくれるので、僕にとって06bullsは本当に良いチームです。

それとチャンピオンシップで優勝した時、永峰選手がファンの前で僕とハグしてから泣きだしたので僕もそれで涙が出て来ました。
と言うのも監督を胴上げするという目的が彼と一緒だったから。
彼はキャプテンで大変だったし、前後期で優勝できなくてストレスもあったし。

そんな時に彼が僕にたくさん話しをしてくれたんです。
僕が投げる時は皆を集めて「洪さんを絶対勝たさせてあげよう」と。
そんな彼が話をしながら泣きだしたら、僕も1年間の苦労を思い出して勝手に涙が出て来ました。

その後、食事会で遠上くんと川崎くんが泣きながら辞める話をした時は悲しかったです。
彼らも野球が好きだけれども、それをすっぱりとあきらめて辞める決断をして社会に出るということですけれど、1年間のいろいろなことが頭に出てきて、あの時は1時間くらい泣きました。

三重では一度だけ泣きました。
思うようにいかなくて、もう韓国に帰ろうと村上監督に電話した時に泣きました。でもそれだけです。

Ｈ：
取材で1年間皆さんを見ていて、一緒にできていいなぁとうらやましかったです。
それで何人か辞めると聞いた時は私も寂しかったですねえ。


洪投手：
だから、僕は今のメンバーが大好きです。


Ｈ：
今回は引退選手が大阪の人が多いので、球場に応援に来られると思います。
その時にプロ行きの報告が出来れば良いですね。


洪投手：
そうですね！

Ｈ：
洪選手から見て、06bullsの良いところとはどこですか？


洪投手：
うまく言えませんが、他のチームよりわいわいと楽しくやれますし、それでいて試合は厳しく負けないようにやる、ファンに良い試合を見せることが出来るチームだと思います。

やっぱり指導者がそういう人達で選手達もそれに付いていきますから。
だから一つになったらとんでもなく強いチームだと思います。
日本語がうまくないのでこれ以上うまく言えませんが…(笑)


Ｈ：
いえいえ、十分ですよ。では、最後に今年の目標とファンに向けて一言お願いします。


洪投手：
目標は去年と変わらず、韓国プロ野球に行くことです。
そして活躍する姿を監督、コーチ、ファンの皆さんに見てもらいたいです。
で、監督の1号になると決めています。これは永峰選手と競争しています。

そうすれば自然とチームも強くなっていくと思いますし、僕はそこに集中したいと思います。
ファンの皆さんには花園や豊中へ足を運んでもらって、去年以上に応援をよろしくお願いしたいと思います。


Ｈ：
今年は土日の試合も多いので楽しみですね。
私も取材はなるべくたくさんするつもりですのでよろしくお願いいたします。
今日はありがとうございました。


洪投手：
ありがとうございました。

■編集後記

先日の前編に続きの後編です。 2回に分けたため収録日からは随分と日がたってしまいましたが、洪投手の思いをご覧いただけたのではないでしょうか。
エースとして、外国人選手としての苦悩や、母国プロ野球への想い、06BULLSへの気持ちなど。
このインタビューをきっかけに、今シーズンは球場で洪投手を応援していただければ幸いです。


リーグ開幕試合は3/23（土）12:30〜、豊中ローズ球場で兵庫ブルーサンダーズとの対戦です。
花園での開幕戦は 4/5（金）12:30〜 紀州レンジャーズ戦との対戦です。
この日は大きなイベントとしてゲストの来場も企画されているようです！
ぜひ 4/5は花園セントラルスタジアムで06BULLSを一緒に応援しましょう　

→オープン戦や練習などのスケジュールは球団公式サイトをご覧ください